不動産投資で安定収入を得たいけれど、従来の賃貸マンション投資では利回りが物足りないと感じていませんか?また、株式投資のような価格変動リスクを避けながら、インフレに強い資産を築きたいと考えているものの、どのような投資手法が最適なのか迷っている方も多いことでしょう。

そんな投資家の間で注目を集めているのが「アパートメントホテル投資」です。この投資手法は、キッチンや洗濯機を完備したアパートメント型の宿泊施設に投資し、短期から中長期の宿泊需要を取り込むことで、従来の賃貸投資を上回る収益性を実現できる可能性があります。

しかし、アパートメントホテル投資には独特のメリットとデメリットがあり、始め方も従来の不動産投資とは異なります。収益性の高さに魅力を感じる一方で、景気変動リスクや法規制への対応、運営の複雑さなど、事前に理解しておくべき重要なポイントが数多く存在します。

この記事では、アパートメントホテル投資の基本的な仕組みから具体的な始め方まで、投資を検討している方が知っておくべき情報について紹介します。

アパートメントホテル投資とは何か?

ホテル

アパートメントホテル投資は、宿泊施設として運営されるアパートメント型の物件に投資する不動産投資手法です。通常のホテル運営とは異なり、キッチンや洗濯機などの生活設備を完備した客室を提供し、短期から中長期まで幅広い滞在ニーズに対応できる点が特徴的です。

この投資方法では、投資家が物件を購入または建設し、専門の運営会社に管理を委託するのが一般的な流れとなります。そして、運営会社は宿泊者の受け入れから清掃、メンテナンスまでを一括して担当し、投資家は月々の賃料収入を得られる仕組みです。

近年、インバウンド観光の回復や国内旅行需要の多様化、さらにはリモートワークの普及により、従来のホテルとは異なる滞在スタイルを求める利用者が増加しています。こうした背景から、アパートメントホテル投資への注目度が高まっており、新たな投資選択肢として検討する投資家も増えています。

なお、投資対象となる物件は、都市部の駅近立地や観光地周辺に集中する傾向があります。そのため、立地選択が収益性に大きく影響します。また、旅館業法の許可取得が必要となるため、法的な手続きや規制への対応も重要な要素となります。

アパートメントホテルの種類

アパートメントホテルには、運営形態や立地、ターゲット層によっていくつかの種類に分類されます。それぞれの特徴を理解することで、投資戦略を立てやすくなります。

都市型アパートメントホテルは、東京や大阪などの主要都市の中心部に位置し、ビジネス利用や短期滞在を主なターゲットとしています。一方で、交通アクセスが良好で、周辺にオフィス街や商業施設が充実している立地に多く見られます。平均滞在日数は2〜7日程度であり、稼働率の安定性が高い傾向があります。

リゾート型アパートメントホテルは、観光地や温泉地、海沿いなどの立地に展開されています。これらの施設では、家族連れや友人グループでの利用が多く、平均滞在日数も都市型より長めの3〜10日程度となることが一般的です。しかし、季節による需要の変動が大きく、繁忙期と閑散期の収益差が顕著に現れる特徴があります。

長期滞在型アパートメントホテルは、1週間から数ヶ月の中長期滞在を想定した設計となっています。これらの施設は、企業の研修や転勤、学会参加、医療関係者の出張など、特定の目的で長期間滞在する利用者をターゲットとしています。そのため、部屋の広さや設備の充実度が高く、より住環境に近い快適性を提供します。

サービスアパートメント型は、ホテルサービスと賃貸住宅の中間的な性格を持ちます。具体的には、清掃サービスやコンシェルジュサービスを提供しながら、月単位での契約も可能とする柔軟性があります。また、外国人駐在員や長期出張者からの需要が高く、安定した収益を期待できる種類です。

アパートメントホテル投資のメリットは?

メリット

アパートメントホテル投資には、従来の賃貸住宅投資やホテル投資とは異なる独自のメリットが存在します。これらの利点を理解することで、投資判断の参考となります。

高い収益性が期待できる

アパートメントホテル投資の最大の魅力は、通常の賃貸住宅投資と比較して高い収益性を実現できる可能性があることです。一般的な賃貸マンションの表面利回りが3〜6%程度であるのに対し、アパートメントホテルでは8〜15%程度の表面利回りを期待できるケースが多く見られます。

この高い収益性を実現できる理由として、宿泊料金設定の柔軟性が挙げられます。つまり、需要に応じて料金を調整できるため、繁忙期には高い収益を上げることが可能です。また、複数の利用者が同じ部屋を短期間で利用するため、年間を通じて高い稼働率を維持できれば、月額賃料よりも高い収益を得られます。

さらに、立地条件が良好な物件では、平日はビジネス利用、週末は観光利用といった形で、異なる顧客層からの需要を取り込めます。これにより、単一の利用目的に依存しない安定した収益基盤を構築できる可能性があります。

加えて、外国人観光客の増加やリモートワークの普及により、従来のホテルでは対応しきれない多様な宿泊ニーズが生まれています。こうした新しい需要を捉えることで、競合の少ない市場で高い収益を実現できる機会があります。

安定したインカムゲインが見込める

アパートメントホテル投資では、適切な運営により安定したインカムゲインを期待できます。特に立地条件の良い物件では、年間を通じて一定の稼働率を維持できるため、毎月の収益を予測しやすくなります。

宿泊需要の多様化により、ビジネス利用、観光利用、長期滞在利用など、複数の顧客層からの需要を見込めます。これにより、特定の需要に依存するリスクを軽減し、収益の安定性を高められます。

また、運営会社との長期契約により、毎月一定の賃料収入を得られるスキームも存在します。この場合、運営会社が稼働率や収益の変動リスクを負担し、投資家は安定した収益を受け取れます。ただし、収益の上振れ余地は限定的となる点は理解しておく必要があります。

なお、季節変動や景気変動の影響を受けやすい面もありますが、適切な立地選択と運営戦略により、これらのリスクを一定程度コントロールできます。特に都市部の立地では、ビジネス需要により平日の安定した稼働を見込めるため、収益の安定性が高まります。

運営の手間を軽減できる

アパートメントホテル投資では、専門の運営会社に管理を委託することで、投資家自身の運営負担を大幅に軽減できます。これは忙しいサラリーマン投資家にとって大きなメリットとなります。

運営会社は、予約受付から清掃、メンテナンス、トラブル対応まで、宿泊施設運営に必要な業務を一括して担当します。そのため、投資家は月次レポートで収益状況を確認するだけで、日常的な管理業務から解放されます。

また、宿泊施設運営には専門的な知識や経験が必要ですが、運営会社のノウハウを活用することで、効率的な運営を実現できます。つまり、料金設定、集客、顧客対応などの専門業務を経験豊富な運営会社に任せることで、収益最大化を図れます。

さらに、24時間365日の対応が求められる宿泊施設において、個人投資家がすべてを対応することは現実的ではありません。そのため、運営会社への委託により、夜間や休日のトラブル対応も含めて、プロフェッショナルなサービスを提供できます。

節税効果が期待できる

アパートメントホテル投資では、不動産投資と同様の節税効果を期待できます。建物の減価償却費を経費として計上することで、帳簿上の所得を圧縮し、所得税や住民税の軽減効果があります。

設備投資についても、エアコンや家具、家電製品などを一括償却や定率法により経費計上できます。また、アパートメントホテルでは通常の賃貸住宅より多くの設備が必要となるため、より大きな節税効果を期待できる場合があります。

さらに、金融機関からの借入により物件を取得した場合、借入金利を経費として計上できます。これにより、レバレッジ効果により投資効率を高めながら、同時に節税効果も得られる構造となります。

インフレに強い資産となる

アパートメントホテル投資は、インフレーション環境下において資産価値と収益の両面で保護効果を期待できます。物価上昇時には宿泊料金も連動して上昇する傾向があるため、実質的な収益力を維持できる可能性があります。

不動産という実物資産への投資であるため、インフレにより通貨価値が目減りした場合でも、資産価値の保全効果があります。特に立地条件の良い物件では、需要の堅調さにより資産価値の上昇も期待できます。

また、金融機関からの借入により物件を取得している場合、インフレにより実質的な借入負担が軽減される効果もあります。つまり、固定金利での借入であれば、物価上昇により実質的な返済負担が軽くなります。

さらに、宿泊料金は市場需給により決定されるため、インフレに応じて料金を調整しやすい特性があります。これにより、他の固定収入投資と比較して、インフレ環境下でも収益力を維持しやすいという利点があります。

将来的に売却や転用が可能

アパートメントホテル投資では、将来的な出口戦略として売却や用途転用の選択肢があります。これにより、投資家は市場環境や個人の事情に応じて柔軟な対応が可能となります。

物件の立地や状態が良好であれば、他の投資家や運営会社への売却により、キャピタルゲインを得られる可能性があります。特に、観光需要が高い地域や交通利便性の高い立地では、売却時の資産価値向上も期待できます。

また、宿泊施設としての運営が困難になった場合でも、賃貸住宅や事務所、店舗などへの用途変更により、継続的な収益を確保できます。ただし、用途変更には建築基準法や都市計画法などの規制をクリアする必要があるため、事前の確認が重要です。

さらに、相続対策としても活用できる面があります。現金や株式と比較して、不動産は相続税評価額が時価より低く算定されるケースが多いため、相続税の軽減効果を期待できます。
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アパートメントホテル投資のデメリットは?

デメリット

アパートメントホテル投資には魅力的なメリットがある一方で、投資を検討する際には慎重に考慮すべきデメリットも存在します。これらのリスクを理解することで、適切な投資判断を行えます。

収益が景気や観光需要に大きく左右される

アパートメントホテル投資の最大のリスクは、収益が経済情勢や観光需要の変動に大きく影響されることです。景気後退時には出張需要が減少し、観光需要も低迷するため、稼働率の大幅な低下が生じる可能性があります。

特に、新型コロナウイルス感染症の拡大時には、宿泊業界全体が深刻な打撃を受けました。このような外部要因により、一時的に収益がゼロに近い状態になることもあり、投資家にとって大きな損失リスクとなります。

また、外国人観光客に依存している立地では、為替変動や国際情勢の変化により需要が大きく変動します。つまり、円高時には外国人観光客の宿泊コストが上昇し、需要減少につながる可能性があります。

さらに、競合施設の増加や新しい交通インフラの整備により、既存物件の競争力が低下するリスクもあります。これらの外部環境の変化により、長期的な収益性が想定を下回る可能性があることを理解しておく必要があります。

旅館業法などの法規制が厳しい

アパートメントホテル運営には、旅館業法をはじめとする様々な法規制への対応が必要となります。これらの規制は複雑で、違反した場合には営業停止などの重いペナルティが科せられる可能性があります。

旅館業法では、構造設備基準や衛生管理基準、宿泊者名簿の管理など、詳細な規定が定められています。また、建築基準法や消防法、食品衛生法など、複数の法律への適合も求められるため、専門的な知識が必要となります。

さらに、法規制は定期的に改正されるため、常に最新の情報を把握し、適切な対応を取る必要があります。これらの対応には時間とコストがかかり、投資家の負担となる場合があります。

加えて、自治体によっては独自の条例や指導方針があり、地域ごとに異なる対応が求められることもあります。そのため、投資前には該当地域の規制状況を詳細に調査することが不可欠です。

ランニングコストが高い

アパートメントホテル運営では、通常の賃貸住宅と比較して高いランニングコストが発生します。これらの費用は収益性に直接影響するため、投資計画において慎重な検討が必要です。

まず、清掃費用が大きな負担となります。宿泊者の利用頻度が高いため、毎回の清掃やリネン交換、消耗品の補充などが必要となり、月額で数万円から十数万円の費用が発生します。

また、水道光熱費も高額になる傾向があります。宿泊者は自宅と同様に電気やガス、水道を使用するため、空室期間の長い賃貸住宅と比較して大幅に費用が増加します。

さらに、設備の故障や劣化も頻繁に発生します。多くの宿泊者が短期間で利用するため、家具や家電、設備の損耗が激しく、定期的な修繕や交換が必要となります。これらの費用は予測が困難で、突発的な支出として収益を圧迫する可能性があります。

加えて、運営会社への管理手数料、予約サイトへの手数料、保険料、税務処理費用なども継続的に発生するため、これらすべてを含めた収支計算が重要となります。

アパートメントホテル投資の利回りはどれくらい?

利回り

アパートメントホテル投資における利回りは、立地や運営方法、市場環境により大きく変動します。しかし、適切な条件下では魅力的な収益性を期待できるため、具体的な数値とその背景を理解することが重要です。

一般的に、アパートメントホテル投資の表面利回りは7〜12%程度とされており、通常の賃貸住宅投資の3〜6%と比較して高い水準となっています。ただし、この数値は立地や物件グレード、運営効率により大きく左右されます。

都市部の好立地物件では、平均稼働率70〜85%程度を維持できれば、表面利回り8〜10%程度を期待できるケースが多く見られます。一方で、リゾート地や地方都市では、季節変動や需要の波により利回りが大きく変動する傾向があります。

ただし、表面利回りだけでなく、運営費用を差し引いた実質利回りでの評価が重要です。清掃費、管理費、修繕費などの運営コストを考慮すると、実質利回りは表面利回りより2〜4%程度低くなることが一般的です。

利回りを高めることができる理由

アパートメントホテルが高い利回りを実現できる主な理由は、料金設定の柔軟性と高い回転率にあります。通常の賃貸住宅が固定家賃である一方、宿泊料金は需要に応じて調整可能なため、収益機会を最大化できます。

需要の高い時期や曜日には料金を上げることで、より高い収益を確保できます。また、閑散期には料金を下げて稼働率を維持することで、年間を通じて安定した収益を得られる可能性があります。

さらに、同一の部屋を複数の利用者が短期間で利用するため、月額家賃以上の収益を得られる可能性があります。つまり、月30日のうち20日間稼働すれば、1日あたりの料金が月額家賃の30分の1を上回れば、より高い収益となります。

加えて、清掃やアメニティ提供などの付加サービスにより、基本料金に上乗せした収益も期待できます。これらのサービスは利用者の満足度向上にもつながり、リピート利用や高評価による集客効果も見込めます。

利回りを左右する要因

アパートメントホテル投資の利回りには、様々な要因が複合的に影響します。これらの要因を理解することで、投資判断の精度を高められます。

立地条件は最も重要な要因の一つです。駅からの距離、周辺の商業施設や観光地へのアクセス、治安状況などが稼働率に直接影響します。また、ビジネス街に近い立地では平日需要、観光地に近い立地では週末需要が期待できるため、立地特性に応じた戦略が重要です。

物件の設備・グレードも利回りに大きく影響します。キッチンや洗濯機などの基本設備の充実度、インテリアの質、Wi-Fi環境などが宿泊料金設定や稼働率に影響します。ただし、過度な設備投資は初期費用を押し上げるため、バランスが重要です。

運営会社の能力も収益性を左右する重要な要素です。集客力、料金設定の最適化、清掃・メンテナンスの質、トラブル対応力などが総合的に収益に影響します。そのため、運営会社選択は慎重に行う必要があります。

市場環境の変化も利回りに影響します。観光客数の増減、競合施設の状況、経済情勢などの外部要因により、需要が大きく変動する可能性があります。また、法規制の変更により運営コストが増加するリスクもあります。

アパートメントホテル投資と他の不動産投資の違いは?

他との違い

アパートメントホテル投資は、従来の不動産投資とは異なる特徴を持っています。それぞれの違いを理解することで、自身の投資目標やリスク許容度に最適な選択肢を選べます。

マンション投資

アパートメントホテル投資とマンション投資の最大の違いは、収益構造と管理方法にあります。マンション投資では、入居者から毎月固定の家賃収入を得る仕組みですが、アパートメントホテルでは宿泊料金による変動収入となります。

マンション投資の利回りは一般的に3〜6%程度と安定していますが、アパートメントホテルでは7〜12%程度の高い利回りを期待できる反面、稼働率や季節変動により収益が大きく変動します。つまり、マンション投資は安定性を重視し、アパートメントホテル投資は収益性を重視した選択肢といえます。

また、管理の複雑さも大きく異なります。マンション投資では、入居者管理や建物メンテナンスが主な管理業務ですが、アパートメントホテルでは日々の清掃、予約管理、宿泊者対応など、より頻繁で複雑な管理が必要となります。

さらに、空室リスクの性質も異なります。マンション投資では長期間の空室が大きなリスクとなりますが、アパートメントホテルでは日々の稼働率変動がリスクとなり、より短期的な収益変動に対応する必要があります。

一棟アパート投資

一棟アパート投資との比較では、投資規模と収益の安定性に大きな違いがあります。一棟アパート投資では、複数の部屋からの家賃収入により分散効果が得られますが、アパートメントホテルでは単一物件での運営となるため、リスク集中度が高くなります。

しかし、収益性の面では、アパートメントホテルの方が高い利回りを期待できる場合が多くあります。一棟アパートの利回りが4〜7%程度であるのに対し、アパートメントホテルでは適切な運営により10%を超える利回りも可能です。

また、管理の専門性も異なります。一棟アパート投資では、賃貸管理会社に委託することで比較的簡単に管理できますが、アパートメントホテルでは宿泊業の専門知識が必要となり、運営会社選択がより重要となります。

さらに、法規制の違いも重要です。一棟アパートは住宅として建築基準法の規制を受けますが、アパートメントホテルは旅館業法をはじめとする宿泊業関連の厳しい規制を受けるため、コンプライアンス対応がより複雑になります。

ホテル投資

ホテル投資との比較では、投資規模と運営の複雑さに違いがあります。一般的なホテル投資では、数億円から数十億円規模の大型投資となりますが、アパートメントホテルでは数千万円程度からの比較的小規模な投資が可能です。

運営面では、ホテルはフロント業務、レストラン運営、宴会場管理など、より複雑で多岐にわたるサービスが必要となります。一方、アパートメントホテルでは基本的に宿泊サービスに特化しているため、運営がシンプルで管理しやすい特徴があります。

また、ターゲット顧客も異なります。ホテルは様々な宿泊ニーズに対応する必要がありますが、アパートメントホテルは中長期滞在や自炊を希望する特定の顧客層にフォーカスできるため、差別化戦略を立てやすくなります。

さらに、収益構造の違いも重要です。ホテルでは宿泊料金以外にも、レストランや宴会、その他付帯サービスからの収益がありますが、アパートメントホテルでは主に宿泊料金が収益源となるため、収益構造がシンプルで理解しやすい特徴があります。
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アパートメントホテル投資を始めるには

ホテル

アパートメントホテル投資を始める方法には、主に新規開業と既存物件のM&Aという2つの選択肢があります。それぞれに特徴とメリット・デメリットがあるため、投資家の資金力や経験、目標に応じて適切な方法を選択することが重要です。

新規に開業する

新規開業は、土地取得から建物建設、許可取得まで、ゼロからアパートメントホテルを立ち上げる方法です。この方法では、立地選択から設計、設備仕様まで、すべてを投資家の意向に沿って決められるため、理想的な投資物件を実現できる可能性があります。

まず、立地選択が最も重要なステップとなります。観光地へのアクセス、ビジネス街との距離、交通利便性、周辺の競合状況などを総合的に評価し、収益性の高い立地を選定する必要があります。また、用途地域や建築制限なども事前に確認することが不可欠です。

次に、建物の設計段階では、宿泊者のニーズに適した間取りや設備を検討します。キッチンや洗濯機などの基本設備はもちろん、Wi-Fi環境、収納スペース、バリアフリー対応なども重要な要素となります。また、清掃やメンテナンスの効率性も考慮した設計が収益性向上につながります。

さらに、旅館業法の許可取得手続きを進める必要があります。この手続きには時間がかかるため、設計段階から行政との調整を行い、スムーズな許可取得を目指すことが重要です。消防法や建築基準法などの関連法規への適合も同時に進める必要があります。

建設期間中には、運営会社の選定や予約システムの準備、集客戦略の策定なども並行して進めます。開業前からの準備により、開業後すぐに安定した稼働を実現できる可能性が高まります。

物件をM&Aする

既存のアパートメントホテル事業を買収する方法は、新規開業と比較して短期間で事業を開始できる利点があります。また、既に運営実績があるため、収益予測がしやすく、投資判断を行いやすい特徴があります。

M&Aによる取得では、まず対象物件の詳細な財務分析が必要となります。過去の売上実績、稼働率、運営費用、修繕履歴などを詳細に検証し、適正な買収価格を算定します。また、既存の運営体制や従業員、取引先との関係も評価対象となります。

また、法的なデューデリジェンスも重要です。旅館業法の許可状況、建築基準法や消防法への適合状況、近隣トラブルの有無、契約関係の確認などを行い、買収後のリスクを最小化する必要があります。

さらに、既存の運営会社との関係や契約条件の確認も重要です。運営委託契約の内容、手数料率、契約期間、解約条件などを詳細に検討し、買収後の運営体制を決定します。優秀な運営会社であれば継続契約を、そうでなければ新たな運営会社への変更を検討する必要があります。

物件の状態確認も欠かせません。建物の老朽化状況、設備の劣化度、今後必要となる修繕費用などを専門家による調査で把握し、買収価格に反映させることが重要です。また、家具や家電などの償却資産の状況も確認し、買収後の追加投資額を算定します。

M&Aでは、売主との価格交渉も重要な要素となります。財務分析の結果を基に適正価格を算定し、将来の収益予測やリスク要因を考慮して交渉を進めます。また、買収後の保証条件や引き継ぎサポートについても合意しておくことで、スムーズな事業承継が可能となります。

買収実行後は、運営体制の見直しや改善策の実施により、収益性の向上を図ります。集客戦略の見直し、料金設定の最適化、コスト削減、サービス向上などにより、買収効果を最大化できる可能性があります。

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まとめ

アパートメントホテル投資は、従来の賃貸住宅投資と比較して高い収益性を期待できる一方で、景気変動や観光需要の影響を受けやすいという特徴があります。表面利回り7〜12%程度と魅力的な数値を示しますが、運営コストや法規制への対応、稼働率の変動リスクを十分に理解した上で投資判断を行うことが重要です。

投資を始める方法としては、新規開業とM&Aという2つの選択肢があり、それぞれに異なるメリットとリスクが存在します。新規開業では立地から設計まで理想的な物件を実現できる反面、時間とコストがかかります。一方、M&Aでは短期間で事業を開始できますが、既存物件の詳細な財務分析と法的確認が不可欠となります。

成功の鍵を握るのは、適切な立地選択と優秀な運営パートナーの確保です。また、旅館業法をはじめとする法規制への適切な対応と、十分な運転資金の確保により、安定した事業運営を実現できます。

アパートメントホテル投資は、適切な知識と準備があれば魅力的な投資選択肢となり得ますが、リスクを十分に理解し、慎重な検討を重ねた上で投資判断を行うことが成功への第一歩となります。